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宇山 一朗『日本の手術はなぜ世界一なのか』


(PHP研究所,2015)820円(税別)

王貞治さんの胃ガンを手術した著者。著者は日本の食道ガン、胃ガンの手術技術が世界一であるといっています。理由の1 つに1 9 9 5 ~ 2 0 0 9 年までの世界6 7 か国、2 5 0 0 万例超のガン患者のデータをもとに1 0 種類のガン5 年生存率を比較した国際共同研究「C O N C O R D - 2 」があります。
これによると、日本のガン5 年生存率は世界の中でもきわめて高いとのこと。その背景にあるものは何なのか? 当書籍ではそれを明らかにするとともに、著者が普及に尽力している手術支援ロボット「ダビンチ」について紹介している1 冊です。


ポイント

ガン5 年生存率が高い背景

日本と欧米では医療制度が異なります。欧米では手術の1 例ずつがそのまま報酬に直結するため、技術を競争相手となる他人に教えることはありません。そのため技術の格差が激しく、技術がない医師は淘汰されていきます。
しかし、日本は年功序列型で、手術数が収入に直接反映されることはありません。そのため、熟練医が安心して技術や知識を若手医師に教えていくことができるのです。
この仕組みで一定レベル以上のいい医師がたくさん育ち、日本の手術技術、ひいては5 年生存率を高めているのです。

手術支援ロボット「ダビンチ」の可能性

手術にはお腹を切る「開腹手術」と、お腹に3 ~4 カ所の小さい穴をあけ、そこから内視鏡カメラや器具を入れて行う「腹腔鏡手術」があります。腹腔鏡手術は痛みが少なく、傷が目立たないといったメリットがある反面、細かい作業や高い技術力が必要になります。
手術支援ロボット「ダビンチ」による腹腔鏡手術は、人間が直接執刀する腹腔鏡手術よりも手術の精度と安全性を大幅に高めたとのことです。
ダビンチによる手術は前立腺ガン全摘術のみ健康保険適用で、それ以外はすべて実費で手術費用が2 0 0 ~ 3 0 0 万円と高額なのが課題です。

ダビンチで医師を育成する

著者曰く、ダビンチの優れた点は、デュアル・コンソール( 2 台の操作台)での手術により、医師の育成ができるようになったことです。若手医師が1 つの操作台から操作をして、隣のもう1 つの操作台には熟練医が座って、機械操作を見守ると同時に危険回避ができるようになっています。
万が一手術で「危ない」と思ったら、熟練医は若手医師の操作を止め、手術を引き継ぎ、若手医師にそれを見せることができるため、手術における医師の育成がやりやすくなったとのことです。
ダビンチによる症例を増やしていくことは、手術レベルの向上だけでなく、保険適用への一歩でもあるのです。

【ヒトコト】

「世界一」といわれる日本の優れた手術技術は日本独自の伝承体制が作り出していることを改めて認識しました。著者は今後も日本の手術技術を向上させるため、腹腔鏡手術におけるダビンチの普及は
必要なことであり、その想いを当書籍でも述べています。
まだまだ費用面において課題はありますが、1 つの選択肢としてこのようなロボット手術があることを知ることができる1 冊です。

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