鶴見 隆史『「酵素」の謎―なぜ病気を防ぎ、寿命を延ばすのか』
最近、「酵素」という言葉をよく見たり、聞いたりしませんか?
当書籍ではそもそも酵素とは何かを明らかにし、酵素の役割や特徴、健康にどのように関わっているかなど、酵素の基礎知識を分かりやすく解説しています。
ポイント
「酵素」とは何か?
食べ物が骨や筋肉になったり、臓器が働いたりするのは、体内で様々な「代謝」という化学反応をおこなっているためです。これら「代謝」の触媒として働いているのが「酵素」。
酵素は人が生きていく上で必要不可欠な分子なのです。
酵素の種類
酵素は大きく分けて2 種類あります。
1 つは人体でつくられている「潜在酵素( 体内酵素)」。
これは、さらに「消化酵素」と「代謝酵素」に分かれます。
消化酵素は食物の消化をおこないます。
代謝酵素は皮膚や筋肉、骨など身体をつくったり、脳や内臓を動かしたりする「代謝」すべての触媒となっています。
もう1 つは外部から摂り入れる食物に含まれている「食物酵素」で、消化酵素同様に食物の消化をおこなっています。
体内における潜在酵素( 体内酵素)の酵素製造能力には限界があり、2 0 歳をピークに少しずつ減少し、4 0 歳を超えると急激に減少してしまうのです。
酵素のバランスが健康に影響を与える
健康な身体づくりのためには体内でつくられる消化酵素と代謝酵素のバランスが大切になってきます。
過食や酵素を含まない食べ物ばかり摂ると、それらを消化するために、体内でつくられる酵素の中で消化酵素の割合が多くなり、代謝酵素の割合が減ります。つまり皮膚や筋肉、骨など身体をつくったり、脳や内臓を動かしたりする酵素の量が減って代謝機能が低下し、体調に影響が出るのです。
そのため、著者曰く、潜在酵素内における消化酵素の占める割合が小さいことが健康な状態とのことです。
酵素が摂れる食生活、摂れない食生活
年齢とともに体内でつくられる量が減少していく酵素。健康のためには酵素を多く含んでいる食品を日々摂ることがポイントとなります。
酵素を多く含んだ食品としては生野菜や果物などが挙げられます。
反対に酵素が含まれていない食品とは、インスタント食品や白砂糖の入った食品、高タンパク食品の他に加熱処理した食品などが挙げられます。
実は体外から摂る一般的な食物酵素は熱に弱く、加熱で活性を失ってしまいます(これを「失活」と呼びます)。
そのため、著者は積極的に生野菜や果物を摂ることを勧めています。
多く含まれる栄養素も健康のためには必要なため、酵素を含む生食6 0 % 、加熱調理した料理4 0 % が理想的な食事バランスとのこと。
とくに生食だけの食事でストレスを感じてしまうことは本末転倒です。日々、腹八分目で、酵素を含む食材多めの食事で健康な身体づくりをしていきましょう。