三井 弘『体の不調は「首こり」から治す、が正しい』
パソコンやスマホなどの普及に伴い、肩こりならぬ「首こり」が原因で体調不良を訴える人が増えてきています。
今回紹介する書籍は、首こりがあらゆる不調を招く「万病の元」であることを明らかにし、首こりの原因やその改善策などを解説しています。
たかが首こりと軽く見てはいけないことがよく分かる1 冊です。
ポイント
首こりになる原因
日本は世界一首の悪い患者が多い国とのこと。首こりの一般的な原因として、以下のことが挙げられています。
- 日本人が欧米人に比べ、骨格が小ぶりで首が弱いため。
- 畳などの床に座る和式の生活様式により、首を上下に酷使しているため。
- パソコンやスマホの普及で首を前に曲げる機会が多くなって、必要以上に首への負担が増え、首の酷使に拍車をかけているため。
この他にも注意しなければならないのが、しつこいこりや痛みがある場合です。
このような場合、真の原因にがん(主に肺がん、前立腺がん、乳がんの3つ)やリウマチ、結核といった別の病気が隠れているケースもあるので、著者は専門医に診てもらうことを勧めています。
首こりが原因の症状
首こりが原因となっている症状は心身ともに多岐に渡っています。
というのも首を通る脊髄には自律神経が通っているためです。首を酷使すると自律神経に不具合が生じ、心身に以下のような症状として現れます。
身体的不調
肩や背中のこり、頭痛、めまい、ほてり、微熱、耳鳴り、動悸、吐き気、便利や下痢、食欲不振、全身倦怠など。
精神的不調
イライラ、不安感、無気力、気分の落ち込み、激しい感情の起伏、集中力の低下、記憶力の低下など。
このような症状を発症しないためにも日常的に首を労わることはとても大切なのです。
早期に改善、予防策を
首こりには「肩こり」→「頭痛・めまい」→「しびれ」という3 段階の進行サインがあります。
しびれまで進行するとかなり深刻な状態となりますので、その前の肩こりや頭痛・めまいの段階で首こりを改善し、再発しないように予防することが必要となってきます。
代表的な方法として挙げられているのはよい姿勢を保つこと。
よい姿勢を保つことで重い頭を効率的に支えて、首への負担を軽減することができるのです。
加えて、身体に筋肉をつける、立ったり座ったりとこまめに動き回る、首の矯正と疲れを取るために「大の字」で寝るなど日常生活でできることが当書籍には多く書かれています。
【ヒトコト】
首こりがいかに多くの症状の原因となっているかがこの1 冊で分かります。
デスクワークなどで首に負担をかけている方や、身体の不調を感じて、さらに首にこりや痛みがある方にはおススメです。