未病から考える防災対策 〜災害時の「トイレ危機」と腸内環境を整える大切さ〜【第9回防災イベント参加レポート①】

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「大きな地震が起きたら、非常食と水を持って避難すれば大丈夫」 そう思っていませんか?

こんにちは。健康管理士の田川信子です。日頃から東洋医学の「未病先防(病気になる前に心身を整えて防ぐ)」の知恵や、古くから親しまれてきた霊芝(レイシ)などの自然素材を通じた健康づくりをお伝えしている私ですが、先日の2026年9月4日、横浜市港北区で開催された「第9回 防災イベント(防災知識と防災対応力 〜過去の災害で得た教訓と課題〜)」(主催:奈良建設株式会社様、株式会社セットアップ横浜様)に参加してまいりました。

能登半島地震などの生々しい被災現場の実態や、専門家の方々による提言を伺うなかで、健康管理に携わる者の一人として改めて強く突きつけられたこと。 それは、「災害時に本当に人の命と尊厳を脅かすのは、食料不足以上に『トイレの崩壊』と、それに伴う『心身・腸内環境の乱れ』である」という過酷な現実でした。

防災と東洋医学の未病ケアは、一見かけ離れているように思えるかもしれません。 しかし、「普段から身体に穏やかな素材で心身を整えておくこと」は、実は極限状態を生き抜くための最も本質的な防災対策でもあるのです。

全4回のレポート初回となる今回は、被災直後に直面する「トイレ危機」の実態と、なぜそれが人の尊厳やその後の健康に直結するのかについてお伝えします。

1. 災害時、食料よりも先に破綻する「トイレ」の現実

防災の備えというと、多くの方が「水と食料」を真っ先に思い浮かべます。 しかし、人間の生理現象として考えてみてください。

  • 食べる・飲む:数時間は我慢できる
  • 排泄する:数時間も我慢できない

大きな地震が起きると、断水や下水管の破損・点検待ちによって、水洗トイレは発災直後から一切使えなくなります。過去の震災アンケートでも、「被災生活で最も困ったこと」の第1位には、食料や水ではなく「トイレ問題」が挙げられ続けています。

流せない便器に排泄物が重なり、悪臭が充満し、床まで汚れる……。わずか1〜2日で避難所のトイレは足を踏み入れることすらためらわれる状態に陥ります。この「衛生環境の崩壊」こそが、被災者を心身ともに追い詰める最初の引き金となるのです。

トイレに行けないストレスは「人間の尊厳」を奪う

トイレ問題の深刻さは、単に「汚い」「不便」という不快感だけにとどまりません。 人の「生きる尊厳」を根底から揺さぶります。

  • 人目や臭いが気になり、安心して排泄できない羞恥心
  • 寒さや暗さの中、長蛇の列に何十分も並ばなければならない苦痛
  • 介助が必要な高齢者や障がいのある方が、周囲に気兼ねして孤立してしまう現実

排泄は、人間が生きていくうえで最も無防備でプライベートな行為です。それが安全・清潔に行えない環境は、想像を絶する精神的ストレスとなり、自律神経を激しく乱します。

当日登壇されたNPO法人日本トイレ研究所の加藤篤代表理事も、「トイレ環境を整えることは、被災者の命と尊厳を守るための絶対的な前提条件である」と力説されていました。

NPO法人日本トイレ研究所https://www.toilet.or.jp/

2. 「在宅避難」でも安心できない?見落とされがちな盲点

トイレが不衛生で行きたくない、あるいは周囲に迷惑をかけたくないと考えたとき、多くの被災者が無意識にとってしまう行動があります。

それが、「水や食事を極限まで控える」ことです。

しかし、東洋医学や健康管理の視点から見ると、この行動こそが最も恐ろしい身体のドミノ倒しを引き起こします。

水分を断ち、排泄を我慢することで、

  1. 極度のストレスで自律神経(交感神経)が過緊張になる
  2. 腸の血流や蠕動運動が止まり、腸内環境(フローラ)が一気に悪化する
  3. 全身の免疫機能が低下し、感染症や血栓症(エコノミークラス症候群)などの二次被害を招く

トイレを避けるための我慢が、結果として命を脅かす「災害関連死」へとつながってしまうのです。

厚生労働省(エコノミークラス症候群の予防のために)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170807.html

厚生労働省(災害時における健康管理)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/tiiki/saigai_00001.html

3.まとめ:防災対策の原点は「心身を整えること」にある

災害への備えとは、単にリュックに乾パンや懐中電灯を詰め込むことだけではありません。

過酷な環境下でも自律神経を乱しすぎず、免疫の要である「腸内環境」を守り抜くこと。そのためには、ハード面(非常用トイレの備蓄)はもちろんのこと、日頃から身体に穏やかな自然素材などを取り入れ、揺らぎにくい心身の土台(未病ケア)を養っておくことが欠かせません。

次回(第2回)は、「トイレを我慢すると、体の中で具体的に何が起きるのか?」をテーマに、水分制限と腸内環境の悪化が引き起こす健康被害、そして自律神経・免疫への影響について、健康管理士の視点からさらに深く掘り下げてお届けします。

次回予告: 【第2回】未病から考える防災対策 〜我慢が招くドミノ倒しと「災害関連死」のメカニズム〜

4.【未病ケアと災害時の健康】のよくある質問①(FAQ)

Q1. 非常用トイレは何日分(何回分)用意しておけば安心ですか?

A. 目安として「1人あたり1日5回 × 最低7日分(35回分)」を家族分備蓄することが推奨されています。
大規模災害時、避難所の仮設トイレが行き渡るまでには数日〜1週間以上かかるケースが多いためです。「トイレの心配がない」という安心感そのものが、極度の緊張をやわらげる第一歩になります。

内閣府 防災情報のページ(「避難所等におけるトイレの確保・管理ガイドライン」)
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/2412hinanjo_toilet_guideline.pdf

Q2. 災害時に「腸内環境」がそれほど重要視されるのはなぜですか?

A. 人間の免疫細胞の約7割は腸に集中しているためです。
避難時は強いストレスや水分・食物繊維の不足から腸の動きが低下し、腸内環境が一気に悪化します。腸の乱れは便秘や肌荒れにとどまらず、免疫力の低下や血栓リスク、感染症などの「二次被害(災害関連死)」を招く要因になるため、命を守る要として注目されています。

Q3. 東洋医学の知恵や「霊芝」などの自然素材は、防災とどう関係するのですか?

A. 東洋医学には「未病先防(病になる前に整える)」という考え方があります。
災害という極限のストレス下では、自律神経が乱れ、気・血の巡りが滞りやすくなります。古来より滋養や心身のバランス調整に用いられてきた霊芝のような自然素材で「日頃から揺らぎにくい巡りと健やかな腸内環境」を養っておくことこそ、過酷な避難生活を乗り切るための“身体の内側の備え(インナー防災)”になります。

Q. 防災リュックに、普段飲んでいる霊芝などの健康食品やサプリを入れておくべきですか?

A. ぜひ数日分を非常持ち出し袋に入れておくことをおすすめします。
避難生活での食事は、おにぎりやパンなど炭水化物に偏りやすく、栄養バランスが崩れて胃腸に大きな負担がかかります。普段から飲み慣れている霊芝などの自然素材があることは、極度の緊張下でも「いつも通りの調子」を取り戻す精神的なお守りとなり、胃腸や自律神経のサポートに役立ちます。

Q. トイレを我慢すると身体がドミノ倒しになる理由を、東洋医学ではどう捉えますか?

A. 東洋医学では「気」の巡りが滞る「気滞(きたい)」が起きると考えます。
トイレに行けない恐怖や羞恥心は、強い緊張となって気の巡りを固まらせ、連動して血の巡りや消化器官(脾胃・大腸)の働きを急激に低下させます。排泄を滞らせない環境づくり(トイレ備蓄)と、平時から気血を補い巡りを整えておくこと(未病ケア)は、心身のドミノ倒しを食い止める両輪なのです。

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5.健康管理士のひとりごと

実は15年前の東日本大震災の際は、私も1日だけではありますが、岩手県の陸前高田市に民間のボランティアとして被災地に行ったことがあります。
そこで最初に驚いたのは、何を隠そう強烈な臭い、いわゆる「腐敗臭」でした。

陸前高田は、三陸の豊かな海に育まれた漁港の町で、沿岸部には水揚げされたばかりの魚をさばく水産加工場や冷凍倉庫が立ち並び、海の恵みが人々の生活と活気を支えている場所でした。津波で加工場から流れ出した膨大な魚や海産物は、泥砂に埋もれ、周囲の林の中に流れ込み、瓦礫の下で容赦なく日光に晒され、手を付けられることもなく腐敗していたのです。視覚だけでは捉えきれない被災の現実は、匂いという消えない記憶となって、いまも私の心に刻まれています。

この逃げ場のない「悪臭」は、被災者の精神をじわじわと削り、生活の質(QOL)を急速に奪っていきます。五感の中で最も本能に近い嗅覚が受けるストレスは、想像以上に人の心を疲弊させるのです。被災地のトイレ問題にも、同じ課題があげられるのではないでしょうか。テレビで見ているだけでは決して知ることの出来ない、被災地ならではの臭い及び衛生環境問題は、そこにいる人の尊厳に深く係る事柄なのです。

今回、現場の最前線で支援や対策に携わってきた方々の生の声に触れ、教科書的な知識だけでは決して見えてこない「避難生活の真実」を深く知ることができ、健康管理に携わる者として本当に大きな学びと刺激をいただきました。

同時に身に沁みたのは、「毎日当たり前のように清潔な水洗トイレが使え、何気ない日常を平穏に過ごせていることの有難さ」です。私たちは普段、どれほど恵まれた環境に支えられているのかを改めて実感させられました。

そしてこの日、参加資料の中にセットアップ横浜様の携帯トイレ「はばか朗」が入っていたことも、とても嬉しい収穫でした!

はばか朗https://setup-yokohama.jp/2020/08/31/habakaro/

防災対策は「言葉」だけで伝えてもなかなか実感が湧きにくいものですが、実際に現物を自宅へ持ち帰り、家族や職場の仲間と一緒に手に取って見ることで、「これなら水が止まっても使えるね」「うちの備蓄は足りているかな?」と、自然に具体的な防災の知識や意識を共有することができました。

“知る”こと、そして“現物に触れて備える”こと。 その小さな一歩が、いざという時の自分と大切な人の心身を守る大きな力になると確信しています。本当に参加して良かったです!次回、我慢が招くドミノ倒しと「災害関連死」のメカニズム、の方でも引き続き防災の観点を交えて健康情報をお伝えできればと思います。

著者プロフィール

田川信子のイラスト

【執筆・監修】 田川 信子(たがわ のぶこ)

株式会社上薬研究所 カスタマーサクセス / Webコンテンツ管理担当
保有資格: 健康管理士一般指導員(特定非営利活動法人 日本成人病予防協会認定) / 食品表示検定 中級
統合医療の学術団体事務局を経て、16年間にわたり霊芝製品のカスタマーサポートおよび健康相談窓口を担当。累計1,000件以上のお客様の健康相談に寄り添ってきた経験と専門知識を活かし、安心・安全な生活習慣改善と和漢セルフケアの情報を発信しています。
https://www.joyakuken.co.jp/nobuko-tagawa/