未病から考える防災対策 〜命を守る「インナー防災」と非常用トイレ・心身の備えの実践〜【第9回防災イベント参加レポート③(完結編)】

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第1回では被災現場における「トイレ危機」と尊厳の問題、第2回ではトイレの我慢や水分制限が引き起こす「命のドミノ倒し(災害関連死)」のメカニズムについてお伝えしてきました。

こんにちは。上薬研究所の田川信子です。日頃から健康管理士として、東洋医学の「未病先防(病気になる前に心身を整えて防ぐ)」の考え方や、古来より人々の調子を支えてきた霊芝(レイシ)などの自然素材の魅力を発信しています。

全3回の締めくくりとなる今回は、「避難生活でどのように腸内環境と栄養を守るのか(インナー防災)」、そして「命と自律神経を守るための非常用トイレ・衛生対策の実践」についてお届けします。極限状態でも揺らがない心身をつくる、日頃からの備えを一緒に考えていきましょう。

1. 炭水化物過多の避難生活:免疫の要「腸」を守る栄養とインナー防災

災害発生直後に配給される非常食は、おにぎり、菓子パン、乾パン、カップ麺など「炭水化物(糖質)」に大きく偏りがちです。

農林水産省が公開している「災害時に備えた食品ストックガイド」でも指摘されている通り、災害直後はエネルギー源としての炭水化物が優先される一方、野菜不足からビタミン・ミネラル、そして「食物繊維」が著しく欠乏し、便秘や口内炎、体調不良に悩まされる方が急増します。

第2回でお伝えした通り、人間の免疫細胞の約7割は腸に集中しています。食物繊維や栄養が途絶えて腸の動きが鈍ると、感染症への抵抗力が落ちるだけでなく、気力や睡眠を支えるセロトニンの分泌も滞ってしまいます。

先日参加した防災セミナーでも、避難生活における健康管理の難しさが大きなテーマとして取り上げられていました。実際の講義スライドでも、避難所での二次的健康被害の実態や、災害時の心身の健やかさをどう守るかについて、原田奈穂子・岡山大学大学院教授より詳しい解説がありました。

日本プライマリ・ケア連合学会が進める能登半島地震支援とは?〜原田奈穂子(岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科教授)【この人に聞きたい】
日本医事新報社 https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_23772

「消化性潰瘍の発生率が1.5倍」「出血性潰瘍の発生率が2.2倍」「混雑した避難所での睡眠障害の発生率は、混雑していない避難所と比較して発生率が増加」と、過去の震災データから避難環境の悪化による体調不良や健康被害のリスクが浮き彫りになっています。食事の偏りだけでなく、過酷な環境下でいかに心と体のバランスを保つかが重要です。

過酷な環境下で腸を守るための「インナー防災」のポイントは次の3点です。

  • 乾物・缶詰・野菜ジュースのローリングストック
    切り干し大根、わかめ、ひじきなどの乾物や、サバ缶・ツナ缶、野菜ジュース・青汁の粉末を普段から多めにストックしておきます。水で戻すだけで食物繊維やタンパク質を補え、腸内細菌の善玉菌のエサとなります。
  • 常温保存できる発酵食品・整腸素材の活用
    味噌汁(フリーズドライ)、乾燥納豆、乳酸菌サプリメントなど、火や水が限られた状態でも腸内環境を助ける食品を備蓄に組み込んでおきましょう。
  • 水分は「喉が渇く前に、ひと口ずつ」
    冷たい水は胃腸を冷やして消化力を落とします。常温の水やノンカフェインのお茶を、意識して少量ずつ口に含むことが血流保持と腸の蠕動(ぜんどう)運動維持につながります。

会場の展示スペース(『防災先進県 MADE IN 高知』ブース)では、実際に長期間保存できる非常食や栄養補助食品、簡易トイレなどが並び、日常の備えにどう組み込むかを具体的にイメージすることができました。パッケージや保存性だけでなく、栄養バランスを意識した製品の重要性を改めて実感しました。

農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」

https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/guidebook.html

(家庭で実践できる栄養バランスを考慮した備蓄法やローリングストックの実践例が詳しく紹介されています)

2. 「トイレの備え」が自律神経を守る:平時からの衛生対策と実践法

どれほど「水分や栄養をしっかり摂りましょう」とお伝えしても、現場に安心して使えるトイレがなければ、人間はどうしても飲食を制限してしまいます。つまり、「衛生的なトイレの備蓄」こそが、インナー防災を成立させるための最大の必須条件なのです。

イベント会場で専門家の方々が口を揃えて強調されていたのも、「トイレ備蓄のリアリティ」でした。

① 非常用トイレは「1人1日5回 × 最低7日分(35回分)」が目安

内閣府(防災担当)の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」においても、成人のトイレ回数は1日平均5回と示されており、大規模災害発生から公的な仮設トイレが行き渡るまでには数日〜1週間以上かかることが想定されています。

4人家族であれば最低でも140回分。「十分なストックがある」という心の余裕が、水分制限による体調悪化を未然に防ぎます。

② 便器にかぶせて使う凝固剤+防臭袋のセットを常備する

水が流せない便器の中に袋を二重にセットし、排泄後に凝固剤で固めて防臭袋で密閉するタイプが基本です。今回会場でご紹介いただいた「はばか朗」のような密閉・消臭性能の高い携帯トイレは、被災時の過酷な悪臭ストレスを劇的に軽減してくれます。

③ 平時に一度、家族で「実際に使ってみる」

停電した真っ暗なトイレで、断水した便器に袋をセットして用を足してみる。この「1回の体験」があるかないかで、いざという時のパニックやストレスの度合いがまったく違ってきます。

内閣府 防災情報「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」

https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/pdf/2412hinanjo_toilet_guideline.pdf

(災害時におけるトイレの必要数計算や、避難者の健康維持に向けた指針がまとめられています)

3. 平常時の未病ケアこそが最大の防災:心身を整える自然素材の知恵

東洋医学では、病気になってから治療するのではなく、病になる前の未病の段階で手当てをする「未病先防」を重んじます。

災害という極限のストレス下において、自律神経(交感神経)の過緊張を抑え、気・血・水の巡りを健やかに保つ基礎体力は、一朝一夕で作ることはできません。

古来より「上薬(じょうやく=副作用がなく、毎日長く飲み続けることで体を健やかに保つ滋養の素材)」の代表格として珍重されてきた霊芝(レイシ)などの和漢・自然素材は、まさに平時からの体づくり(インナー防災)にぴったりな存在です。

霊芝に含まれる豊富なβ-グルカンなどの多糖類やガノデリン酸は、日々の腸内環境を穏やかに支え、季節の変わり目や環境の変化にも動じない「巡りと免疫のバランス」を底上げしてくれます。

非常持ち出し袋の中に、いつも飲み慣れている霊芝や自然素材のサプリメントを数日分忍ばせておくこと。それは過酷な避難生活の中で、乱れた自律神経をふっと日常のリズムへと引き戻してくれる「心と体の小さなお守り」になります。

4. 【未病ケアと災害時の健康】のよくある質問(FAQ)

Q1. 断水時、流水で手洗いができない環境での衛生・感染症対策はどうすればよいですか?

A. アルコール消毒液に加え、「大判のウェットティッシュ」や「おしりふき」を多めに備蓄しましょう。
排泄後の手指衛生が不十分だと、避難所でノロウイルス等の感染性胃腸炎が一気に拡大します。厚生労働省の「災害時における避難所での感染症対策」でも示されている通り、流水が使えない場合はアルコール消毒が有効ですが、泥や皮脂などで手が目に見えて汚れていると効果が落ちるため、「まずシートで物理的に汚れを拭き取ってから消毒する」のが鉄則です。

※参照:厚生労働省「災害時における避難所での感染症対策」

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00346.html

Q2. 避難リュックにはサプリメントをどのようにパッキングすれば良いですか?

A. 形状(パウチ・シート・瓶)に合わせて工夫し、「原材料表示がひと目で分かる状態」で二重密閉するのが基本です。
避難先や救護所では、医師や救護スタッフから「普段何を飲んでいるか」「アレルギーや常用薬との飲み合わせは問題ないか」を確認される場面があります。ピルケースなどに粒だけを裸で移し替えてしまうと、湿気で劣化しやすく、何の粒か周囲にも分からなくなってしまうため避けましょう。

容器のタイプ別に、おすすめのパッキング方法は以下の通りです。

  • 瓶(ビン)入りのサプリメントの場合
    ガラス瓶は「重く、避難時の衝撃で割れるリスク」があるため、瓶ごと持ち出すのは避けましょう。数日〜1週間分だけを小さなチャック付き密閉袋に移し、湿気防止の「乾燥剤(シリカゲル)」を同封します。その際、「外箱の原材料表示部分を切り取って一緒に入れる」か、「瓶のラベル部分をスマホで撮影しておく」のが最も安全でスマートです。
  • アルミパウチ(チャック付き袋)の場合
    遮光・防湿性に優れているため、残り1〜2週間分ほどになった使いかけの袋をそのままジッパー袋に入れて二重密閉するのが一番手軽で確実です(裏面の説明もそのまま残ります)。
  • 個包装(PTPシート・分包)の場合
    数日分のシートと一緒に、外箱の「原材料名・アレルギー表示・商品名」が書かれた部分をハサミで四角く切り取って同じ透明袋にまとめておきます。

★スマホのカメラも活用!

万が一の紛失や雨濡れに備え、商品名と裏面の一括表示(原材料・1日の目安量など)をスマホで撮影しておくと、電波が届かないオフライン環境でも救護班や薬剤師に見せてスムーズに確認してもらえます。

※非常用リュックに入れっぱなしにせず、半年に一度(防災の日や季節の変わり目など)に中身を新しいものと入れ替える「ローリングストック」を習慣にしましょう。

Q3. ストレスで胃腸がキリキリ痛むとき、その場でできるセルフケアはありますか?

A. ゆっくりとした「腹式呼吸(吐く息を長く)」と、お腹を温める手当てが効果的です。
強い緊張で交感神経が昂ると胃腸の血管が収縮します。息を細く長く吐き出すことで副交感神経を優位にし、手のひらをおへその下(丹田)にあてて優しく温めるだけでも、血流が戻りお腹のこわばりが和らぎます。使い捨てカイロを備蓄に入れておくのも大変おすすめです。

\ 心身を整え、揺らぎにくい毎日の土台をつくる /

いざという時に備える「身体の内側のセルフケア」。上薬研究所がこだわり抜いた、純国産霊芝の公式ラインナップをご紹介しています。

5. 健康管理士のひとりごと

全3回にわたってお届けした防災イベントのレポート、いかがでしたでしょうか。

今回のイベントを通じて最も強く心に残ったのは、「本当の防災とは、道具を買い揃えて押入れの奥にしまい込むことではなく、平時の暮らしと地続きにあるものだ」という実感でした。

毎日当たり前のように水が流れ、清潔なトイレで一息つけることの有難さ。そして、バランスの取れた食事をいただき、健やかな腸とお腹の巡りを保てていることの尊さ。それらはすべて、私たちが平時から育んでいるかけがえのない健康の財産です。

「非常用トイレを1箱備えること」。

「今夜の食事に食物繊維や温かい汁物を一品足すこと」。

「霊芝をはじめとする自然の恵みで、揺らぎにくい土台を養っておくこと」。

その一つひとつの小さな意識の積み重ねこそが、いざという極限の状況において、自分自身と大切なご家族の命と尊厳を守る防壁になります。
ご自身だけでなく、ご家族、社内のスタッフなど、周囲の人たちともぜひこの意識が共有できると、それだけで、防災の土台は格段に強くなります。

今回のイベントを通じて、過去から学び続ける防災意識のアップデートこそが、自分や家族、周囲も含めた社会的なネットワークとして機能するのだと、認識を新たに出来ました!防災イベントは、地域のものや、子供向けのものなど、意外とたくさん身近で開催されていますので、ぜひ、一度足を運んでみると新たな発見や、最新の防災知見をインストールできる機会になると思います。

このコラムが、皆様の暮らしの中で「足元の備え」と「からだの内側の未病ケア」を見つめ直すきっかけとなれば、健康管理士としてこれ以上の喜びはありません。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

著者プロフィール

田川信子のイラスト

【執筆・監修】 田川 信子(たがわ のぶこ)

株式会社上薬研究所 カスタマーサクセス / Webコンテンツ管理担当
保有資格: 健康管理士一般指導員(特定非営利活動法人 日本成人病予防協会認定) / 食品表示検定 中級
統合医療の学術団体事務局を経て、16年間にわたり霊芝製品のカスタマーサポートおよび健康相談窓口を担当。累計1,000件以上のお客様の健康相談に寄り添ってきた経験と専門知識を活かし、安心・安全な生活習慣改善と和漢セルフケアの情報を発信しています。
https://www.joyakuken.co.jp/nobuko-tagawa/